令和5年度 都城市郡医師会病院 病院情報の公表

令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)中に当院の一般病棟を退院された患者さんのデータを集計しております。
集計対象患者は、医療保険を使用された患者さんのみを対象とし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等は含めておりません。
入院後24時間以内、又は、生後1週間以内の死亡等は集計対象外としております。
平均年齢は、最初の入院日時点の年齢を基準としております。
患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 495 114 69 90 190 282 668 1208 1093 466
当院は、地域の中核病院として、幅広い年齢層の患者さんを診察しています。特に60歳以上の患者さんが7割を超え、症状が比較的重症になりやすい高齢者の入院が多くなる傾向にあります。
小児期の患者さんが多くなっている理由として、当院が小児救急に積極的に取り組んでいること、都城夜間急病センターを併設している環境体制が理由に挙げられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈ステント留置術等 処置1なし 処置2なし 179 4.26 4.26 1.68 71.42
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査等 処置2なし 転院以外 128 3.25 3.05 0.00 71.52
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術等 処置2なし 99 4.12 4.57 1.01 65.48
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 転院以外 98 18.83 17.38 7.14 82.34
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 96 9.31 9.77 5.21 83.21
環器内科では狭心症などに対する心臓カテーテル検査や治療目的での入院が多くなっています。狭心症などに対する治療前・治療後の心臓カテーテル検査入院を行い、必要に応じて、カテーテル検査から引き続き狭くなった冠動脈を拡張させる手術を行います。
3番目と5番目に多いのは不整脈に対する治療目的入院で、カテーテルアブレーション治療やペースメーカー植え込み治療を行なっています。高齢化社会の進行とともに、慢性心不全患者も多くなっており、利尿剤を中心とした心臓リハビリも併せた治療を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 内視鏡的胆道ステント留置術等 処置2なし 副傷病なし 45 15.58 8.75 13.33 79.04
06007xxx97x0xx 膵臓、脾臓の腫瘍 その他手術あり 処置2なし 28 18.14 11.65 10.71 71.46
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 28 9.07 8.95 14.29 65.39
060150xx99xxxx 虫垂炎 手術なし 24 11.67 8.02 4.17 40.71
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わない等 23 6.96 5.29 4.35 37.65
外科で最も多い症例は胆管結石、胆管炎の症例です。胆管結石で感染や炎症を起こすと緊急の処置が必要となるため、内視鏡治療である胆管の出口を拡張して結石を摘出するバルーン拡張や乳頭括約筋切開等を実施しています。
2番目に膵臓癌に対するステント留置術等の症例、3番目に癒着性イレウスや麻痺性イレウスなどのイレウスに対する保存的治療の症例が多くなっています。
またその他、虫垂炎に対する投薬などの保存的治療や手術も多く行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞 3日以内かつJCS10未満 手術なし 処置1なし エダラボン 副傷病なし RankinScale0~2等 64 18.03 15.70 56.25 70.83
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) JCS10未満 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 43 24.23 19.09 88.37 70.84
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 動脈造影カテーテル法(選択的に造影撮影) 処置2なし 39 2.00 2.95 0.00 62.77
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他手術あり 処置2なし 副傷病なし 39 15.38 9.88 20.51 82.28
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 動脈造影カテーテル法(選択的に造影撮影) 処置2なし 24 2.08 3.12 0.00 75.88
脳神経外科では脳卒中の急性期治療のための入院が多くなっています
特に脳梗塞での緊急入院が多く急性期治療を当院で行いリハビリ継続のため転院する症例も多くみられます。急性期治療ではエダラボン(脳保護薬)使用やt-PA治療を実施する症例もあります。
次に脳出血(被殻出血や視床出血など)に対する急性期治療を実施する入院が多くなっています。
そのほか外傷性慢性硬膜下血腫に対して慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術を実施する症例、未破裂動脈瘤や内頚動脈狭窄症に対する血管撮影検査を施行した入院も多くみられます。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 35 12.17 20.60 37.14 85.29
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 29 12.83 13.52 27.59 82.76
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 処置2なし 副傷病なし 19 4.05 3.62 0.00 53.42
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 副傷病なし 16 14.50 8.38 37.50 49.19
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 15 18.33 18.65 33.33 75.67
救急科は重症外傷や急性疾病など様々な疾患に対応しているため診断名や手術・処置内容で細分化される診断群分類では統一されたDPCコードが出にくい傾向となっています。そのなかで令和5年度は昨年同様、新型コロナウイルス感染症の症例が最も多くなりましたが、集計条件の対象外のため、掲載されていません。

例年患者数が多い傾向にあるのが院外心肺停止、薬物中毒、事故等による脳震盪・胸部外傷等の救急対応が必要な症例です。
地域医療支援病院として他医療機関から感染症等により重症化した症例の受け入れも行っています。近年は誤嚥性肺炎の症例が増加傾向で、そのうち介護施設・福祉施設から入院した症例が最も多くなっています。
また、救急科はDrカーによる救急現場での救命医療の提供や、Drヘリ症例の一次受け入れも行い必要があれば他科にコンサルトを行います。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 89 4.85 5.96 1.12 0.66
040100xxxxx00x 喘息 処置2なし 副傷病なし 73 5.18 6.37 0.00 2.60
0400801199x00x 肺炎等 15歳未満または市中肺炎等 1歳以上15歳未満 手術なし 処置2なし 副傷病なし 38 5.24 5.62 0.00 2.71
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置2なし 37 3.54 5.64 0.00 3.84
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 処置2なし 35 4.97 5.86 0.00 1.51
小児科では、急性気管支炎と喘息の患者がR4年度に比べ3倍近く増えています。また昨年度同様、インフルエンザなどのウイルスによる肺炎、腸炎の症例も多くみられます。R5年度の診断群分類患者数は、気管支肺炎、喘息、市中肺炎、ウイルス性腸炎、インフルエンザなどのウイルスによる肺炎の順となっています。
また、平均在院日数は、全国平均より短くなっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 骨折観血的手術等 82 26.18 25.50 63.41 81.79
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 49 9.67 4.76 4.08 41.84
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 16 14.88 19.34 25.00 73.62
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術等 15 32.20 18.32 0.00 55.67
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 14 38.07 21.96 0.00 78.57
整形外科では、外傷全般(成人・小児)・慢性疾患(人工関節・リウマチ・脊椎病変)・スポーツ外傷などの症例を対応しています。
令和5年度は大腿骨近位骨折で手術を行う症例が最も多くなっています。約6割が転院しており地域の医療機関との連携強化も積極的に行っています。
次に前腕骨折の手術を要する症例、胸腰椎圧迫骨折で入院が必要な症例、変形性膝関節症に対して人工関節置換術を実施する症例などが多くなっています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 処置2なし 25 13.32 18.65 4.00 71.60
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 11 11.00 20.60 45.45 84.82
040110xxxxx2xx 間質性肺炎 人工呼吸 11 31.45 26.77 27.27 81.36
040110xxxxx1xx 間質性肺炎 ニンテダニブエタンスルホン酸塩 - - 20.39 - -
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし - - 13.70 - -
呼吸器内科では特発性肺線維症や膠原病肺、血管炎症候群、びまん性肺胞出血、過敏性肺炎、器質化肺炎、薬剤性肺傷害、HTLV1関連肺疾患、サルコイドーシス、急性好酸球性肺炎、慢性好酸球性肺炎、気管支拡張症、非結核性抗酸菌症、慢性進行性肺アスペルギルス症、ニューモシスチス症、肺放線菌症、びまん性嚥下性細気管支炎、副鼻腔気管支症候群などのびまん性肺疾患診療を中心に気管支喘息重篤発作や肺膿瘍、膿胸、結核性胸膜炎、潜在性結核感染症、感染性肺嚢胞など幅広い呼吸器疾患の診断、治療を行なっています。
肺炎の入院は救急入院が多く、急性期治療を当院で実施し、病状の安定が得られれば、地域の医療機関に転院し、継続加療を行う症例もあります。
間質性肺炎や誤嚥性肺炎の診断群分類が多くなっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く) 人工関節置換術等 処置1なし 12 6.25 5.14 0.00 47.83
080010xxxx0xxx 膿皮症 処置1なし - - 12.88 - -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし - - 7.22 - -
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 処置2なし - - 2.82 - -
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術等 副傷病なし - - 6.86 - -
令和5年度の形成外科で最も多い入院症例は骨軟部の良性腫瘍です。
令和5年10月から、常勤医師不在のため、以上の症例となっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - 18 - 12 1 8,7
大腸癌 - 25 28 30 13 1 8
乳癌 - 1 7
肺癌 1
肝癌 - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
発症例数が多いとされる5大癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の令和5年度の患者さんの人数を、初発(UICC TNM分類)・再発に分けて集計しています。
Stage分類とは、UICC(国際対がん連合)が定めた腫瘍の分期分類で、T(原発腫瘍の広がり)・N(所属リンパ節転移の有無と広がり)・M(遠隔転移の有無)を評価し、それを指標に癌の進行度を表したもので、治療前に得られた情報に基づきます。
当院は、胃癌・大腸癌の患者さんが多く、手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた幅広い治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 36 14.53 77.86
重症 42 18.31 83.90
超重症 - - -
不明 - - -
令和5年度の成人(18歳以上)の肺炎患者さんについて、重症度別に患者数・平均在院日数・平均年齢を集計したものです。
市中肺炎とは、普段の社会生活を送っている中で羅患した肺炎をいいます。
当院では78名に対応しており、患者数が最も多いのは重症です。中等症が続けて多く、軽症も少なからず存在しています。中等症以上の患者さんの平均年齢は83歳以上と高齢になっています。患者さんの平均年齢が上がり、重症度も比例して高くなっています。

重症度は、「尿素窒素(BUN)」「動脈血酸素飽和度(SpO₂)」「血圧」の結果、及び「意識障害」「免疫不全状態」「肺炎重症度規定因子」を基準に沿って評価し、その結果を合算したもので、評価値が高いほど重症となります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 204 20.65 77.06 60.75
その他 10 20.20 79.50 2.34
脳梗塞(I63$)に分類される症例の患者数です。急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は77歳で後期高齢者の方が多くなっています。平均しておよそ20.6日程度の入院期間で急性期加療、リハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、半数以上の方が継続リハビリの為、後方支援病院に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 138 3.63 4.57 2.90 72.85
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 88 1.10 7.35 5.68 74.73
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 等 82 1.11 2.23 1.22 67.28
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞) 63 0.05 14.10 4.76 69.68
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 55 3.55 4.07 3.64 70.33
循環器内科で多い手術症例は、心筋梗塞や狭心症などに対する心臓カテーテル治療です。緊急で行う場合や検査と同時に行う場合、検査から日数を空けて行う場合、検査後一旦退院してから再入院して行う場合など、患者さんの状況に合わせて手術を行っています。
また、下肢の閉塞した血管をカテーテルにて拡張する治療や不整脈に対するカテーテルアブレーション治療、ペースメーカーの移植なども行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 69 6.09 17.30 17.39 79.10
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 47 8.02 8.91 6.38 64.98
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 27 13.63 17.70 7.41 74.48
K6335 鼠径ヘルニア手術 20 1.70 5.00 0.00 67.35
K6871 内視鏡的乳頭拡張術 等 19 4.26 10.58 15.79 74.05
外科で最も多い手術症例は、内視鏡的胆道ステント留置術です。内視鏡的胆道ステント留置術は、胆管腫瘍や結石で胆汁の流れが悪くなり、黄疸や胆管炎を伴う症例に対して胆管の出口から内視鏡を用いてステントを挿入し胆汁の流れをよくする手術です。
2番目に胆嚢結石や胆嚢炎に対して行われる腹腔鏡下胆嚢摘出術です。状況によっては開腹での胆嚢摘出術を行いますが、当院では小さな穴を開けて行う腹腔鏡下での胆嚢摘出術を主に行っております。
次いで、結腸癌に対する結腸切除術、鼠径ヘルニアに対する開腹でのヘルニア手術、胆管結石等に対する内視鏡的乳頭切開術なども多く行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 55 4.09 25.40 54.55 79.04
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 40 4.15 21.18 10.00 66.78
K0811 人工骨頭挿入術(股) 38 4.53 19.79 68.42 84.11
K0821 人工関節置換術(膝) 等 30 7.50 32.70 3.33 74.77
K0463 骨折観血的手術(手(舟状骨を除く)) 等 24 4.46 19.08 12.50 58.29
整形外科では骨折観血的手術が多くなっています。骨折観血的手術は、ギプス固定では治癒が難しい複雑な骨折や重度の骨折、関節周辺を骨折した場合に施す外科手術のことで、令和5年度は大腿骨や橈骨尺骨等の前腕に対する手術が多くなりました。
人工骨頭挿入術は大腿骨の骨頭を取り出し、人工骨頭という人工物に入れ替える手術です。
人工関節置換術(膝)は、膝の前面に切開を加えて関節を展開し、傷んだ膝の骨の表面を切り、大腿骨側と脛骨側に部品をはめて固定する手術です。膝蓋骨の軟骨が強く傷んでいる場合には、ここの骨も部品で固定します。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 36 1.53 13.64 19.44 82.39
K1781 脳血管内手術(1箇所) 25 1.92 25.28 44.00 64.64
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 22 5.82 12.41 18.18 74.45
K178-4 経皮的脳血栓回収術 14 0.93 24.43 78.57 76.43
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 13 2.85 9.08 7.69 64.23
令和5年度の脳神経外科で最も多い手術症例は、慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術です。緊急手術となる場合が多く、術後は、リハビリ目的のため2割程が転院となっています。
次に多い手術症例はくも膜下出血や未破裂動脈瘤に対して行う脳血管内手術、内頚動脈狭窄症に対する経皮的頸動脈ステント留置術、脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術の順となっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 13 0.69 4.69 0.00 49.62
K013-22 全層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - - - - -
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) - - - - -
K6333 臍ヘルニア手術 - - - - -
令和5年度の形成外科で最も多い入院症例は骨軟部や皮下にできた軟部腫瘍等の良性新生物に対する摘出術を行う症例です。令和5年10月より常勤医師不在のため、以上となります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 10 0.21
180010 敗血症 同一 23 0.49
異なる 13 0.28
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 15 0.32
異なる - -
感染症および合併症の発生率を示したものです。 
敗血症の入院契機となった傷病名と同一症例が多いことからも、当院が二次救急医療指定病院として、合併症のみならず、入院時からの重症な症例を多く扱っていることが分かります。
手術・処置の合併症でも入院契機となった傷病名と同一症例が多くなっています。その内訳は冠動脈ステント留置後再狭窄、術後の創部感染などで0.32%となっています。また当院は二次救急医療指定病院として他の医療機関からそのような症状になった症例の受け入れも行います。
手術・処置の合併症は治療を行う過程でやむを得ず望ましくない症状や状態が発生した症例などを示しています。正しい診療を行っていても患者さんの容態や症状によっては、予期できない症状が出ることがあります。
これらについては事前に十分に説明した上で発症が最小限になるように努めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
351 342 97.44
肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症は突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患で大きな手術後や長期臥床の際に起こります。予防のために弾性ストッキングの着用や抗凝固薬療法があり、リスクレベルに応じて単独あるいは併用にて予防対策を実施することが重要です。
この項目では肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策(弾性ストッキング、間歇的空気圧迫装置、抗凝固療法)が実施された症例の割合を計上しています。  
当院の対策実施率は現在97.4%となっております。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1366 1088 79.65
血液培養検査は血液中の細菌を同定し必要な抗菌薬の使用選択を目的としております。血液培養検査は2セット以上での実施によって原因微生物の検出感度や検査精度の向上が期待できます。
当院での血液培養2セット実施率は約80%となっており、今後もより質の高い感染症診療に貢献できるよう取り組みを続けていきます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
505 410 81.19
近年、抗菌薬が効かなくなる抗菌薬耐性菌が出現し、難治症例が増加していることが世界的に問題になっています。耐性菌の発生や蔓延を防ぐため、細菌培養検査を実施し、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。
当院での抗菌薬使用時の細菌培養実施率は約81%となっています。
更新履歴
2024/9/30
令和5年度 DPCデータによる病院指標公開