平成30年度 都城市郡医師会病院 病院指標

当院ではDPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた7項目の指標を作成し情報公開を進めております。
具体的に、DPC病院が情報公開するのは下記7項目です。
 ※DPC(Diagnosis Procedure Combination)とは、医師が決定した主病名に基づき、手術・処置の有無、
   重症度等により細かく分けられた診断群分類によって1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
指標の主な定義
・平成30年度(平成30年4月1日~平成31年3月31日)中に当院の一般病棟を退院された患者さんのデータを集計しております。
・集計対象患者は、医療保険を使用された患者さんのみを対象とし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等は含めておりません。
 入院後24時間以内、又は、生後1週間以内の死亡等は集計対象外としております。
・平均年齢は、最初の入院日時点の年齢を基準としております。
・患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 633 108 66 87 186 382 834 1013 1145 387
当院は、地域の中核病院として、幅広い年齢層の患者さんを診察しています。特に60歳以上の患者さんが7割を占め、症状が比較的重症になりやすい高齢者の入院が多くなる傾向にあります。
小児期の患者さんが多くなっている理由として、当院が小児救急に積極的に取り組んでいること、都城夜間急病センターを併設している環境体制が理由に挙げられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 303 3.16 3.01 0.33 70.24
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 90 6.72 4.47 1.11 70.6
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 64 15.41 11.01 10.94 80.39
050030xx97030x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 60 15.33 15.94 3.33 67.92
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 59 18.14 17.66 22.03 81.59
循環器内科で最も多い症例は、狭心症などに対する治療前・治療後の心臓カテーテル検査のための入院です。
2番目に多いのは狭心症などに対する心臓カテーテル治療のための入院となり、
4番目に多いのが急性心筋梗塞に対する心臓カテーテル治療のための入院です。
これら、狭心症や心筋梗塞の症例で循環器内科全症例の約8割を占めます。
不整脈に対するペースメーカー挿入のための入院が3番目に多く、高齢化社会の進行とともに、慢性心不全患者も増加しており、利尿剤を中心とした心臓リハビリも併せた治療を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 定義副傷病 なし 52 3.13 4.41 0 65.69
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 42 9.05 6.52 0 65.76
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 13.68 10.08 18.42 79.74
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 37 6.62 5.49 0 39.65
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 36 2.14 2.67 0 68.5
消化器系疾患で結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍に対するする化学療法を行っています。胆道疾患の症例も多く、手術を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 65 13.51 16.16 55.38 72.74
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 47 19.64 18.72 74.47 69.15
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 42 14.38 16.18 73.81 67.17
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 12.47 9.69 44.74 82.03
010060x2990200 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 3、4又は5 25 13.96 19.81 60 89.72
脳神経外科では、脳卒中の急性期病変、特に脳梗塞の入院が最も多くなっています。
ほとんどの症例の場合には、発症24時間以内に入院することが多く、脳梗塞に対しエダラボン(脳保護薬)を使用する症例が多くなっています。また、ADL(日常生活動作)回復を目指し、積極的な早期リハビリも行っています。
また、平成28年度より脳梗塞は発症日や入院時の意識状態、併存傷病の有無などで診断群分類が詳細に分類されていますが、脳梗塞の症例は脳神経外科全症例の約4割を占めます。平均在院日数を全国と当院で比較すると2日ほど短い傾向です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 120 6.35 6.19 2.5 0.82
030270xxxxxxxx 上気道炎 69 5.57 4.96 1.45 1.71
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 57 6.91 5.71 1.75 2.47
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 53 7.28 6.14 0 1.83
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 52 6.33 6.62 0 5.23
呼吸器系疾患で下気道感染症の症例が多くなっています。
そのほか上気道感染、肺炎、喘息、などの入院も多くなっています。
平均在院日数についても全国平均とほぼ同じくらいの日数になっています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 33 19.09 20.92 45.45 82.91
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 21 13.57 12.58 23.81 78.24
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 4.3 3.56 20 60.6
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 17.47 7.35 17.65 54
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 8.4 9.69 33.33 72.93
救急科は重症外傷や急性疾病など様々な疾患に対応しているため診断名や手術・処置内容で細分化される診断群分類では統一されたDPCコードが出にくい傾向となっています。例年多い薬物中毒症例でも全体の割合から見ると1割未満となっています。
地域医療支援病院として他医療機関から感染症等により重症化した症例の受け入れも行っています。平成30年度は誤嚥性肺炎の症例が増加傾向で、そのうち介護施設・福祉施設から入院した症例が最も多くなっています。
また救急科はDrカーによる救急現場での救命医療の提供や、Drヘリ症例の一次受け入れも行い必要があれば他科にコンサルトを行います。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 59 27.32 26.3 74.58 85.61
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 22 23.27 5.68 9.09 54.86
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 15 59.4 15.48 26.67 76.47
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2 なし - - 19.32 - -
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 - - 24.26 - -
整形外科では大腿骨近位骨折で手術を行う症例が最も多くなっています。約7割が転院しており地域の医療機関との連携強化も積極的に行っています。
前腕骨折や上腕骨骨折で手術を要する症例、骨盤骨折で入院となった症例も多くなっています。
そのほか足関節の骨折、変形性関節症など様々な整形外科領域の手術を必要とする症例に対応しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 16 14.69 19.06 12.5 71.06
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 16.56 20.92 43.75 83.94
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 8.98 - -
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 14.58 - -
040150xx99x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術なし 手術・処置等2 なし - - 23.39 - -
呼吸器内科では感染症、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症など幅広い呼吸器疾患の診断、治療を行なっています。
肺炎の入院は救急入院が多く、初期治療を当院で実施し、病状の安定が得られれば、地域の医療機関に転院し、継続加療を実施している症例も4割ほどあります。
間質性肺炎や誤嚥性肺炎の診断群分類が多くなっています。
誤嚥性肺炎は平均年齢が84歳と高齢者が多くなっています。
また間質性肺炎の症例では、ステロイドパルス療法やNHF、NIPPVによる呼吸療法を実施しています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 16 3.13 3.15 0 60.12
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 15 4 5.59 0 50.8
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし - - 4.05 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし - - 12.51 - -
080007xx97xxxx 皮膚の良性新生物 その他の手術あり - - 6.06 - -
平成30年度の形成外科で最も多い手術症例は眼科系疾患である眼瞼下垂症の手術です。次に多い症例が骨軟部や皮下にできた軟部腫瘍等の良性新生物に対する摘出を行う症例です。
そのほか、有棘細胞癌等の悪性新生物に対する腫瘍単純切除術及び植皮術等を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 16 - 13 49 42 1 8,7
大腸癌 - 31 44 103 - 67 1 8,7
乳癌 - - - - 1 8,7
肺癌 - - - - 1 8,7
肝癌 - - - - 1 7,6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
発症例数が多いとされる5大癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の平成30年度の患者さんの人数を、初発(UICC TNM分類)・再発に分けて集計しています。
Stage分類とは、UICC(国際対がん連合)が定めた腫瘍の分期分類で、T(原発腫瘍の広がり)・N(所属リンパ節転移の有無と広がり)・M(遠隔転移の有無)を評価し、それを指標に癌の進行度を表したもので、治療前に得られた情報に基づきます。
当院は、胃癌・大腸癌の患者さんが多く、手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた幅広い治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 42 14.81 76.1
重症 25 15.56 86.32
超重症 11 21.45 85
不明 - - -
平成30年度の成人(20歳以上)の肺炎患者さんについて、重症度別に患者数・平均在院日数・平均年齢を集計したものです。
市中肺炎とは、普段の社会生活を送っている中で羅患した肺炎をいいます。
成人市中肺炎は、高齢になるほど重症になることがわかります。平均在院日数は、重症になるほど長くなることがわかります。

重症度は、「尿素窒素(BUN)」「動脈血酸素飽和度(SpO₂)」「血圧」の結果、及び「意識障害」「免疫不全状態」「肺炎重症度規定因子」を基準に沿って評価し、その結果を合算したもので、評価値が高いほど重症となります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 248 15.91 75.9 58.91
その他 10 16.2 71.8 1.55
脳梗塞(I63$)に分類される症例の患者数です。急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は75.9歳で後期高齢者の方が多くなっています。平均して16日程度の入院期間で急性期加療、リハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られるか、半数以上の方が継続リハビリの為、後方支援病院に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 78 7.85 6.31 3.85 67.4
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 36 3.28 20.86 16.67 75.14
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 34 0.24 1.32 0 69.62
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 29 0.83 4.55 0 37.83
K6871 内視鏡的乳頭拡張術 等 26 5 7.92 23.08 79.69
外科で最も多い手術症例は胆嚢結石や胆嚢炎に対して行われる胆嚢摘出術です。腹腔鏡下で行っています。
次に多い手術は内視鏡的胆道ステント留置術です。胆管腫瘍や結石で胆汁の流れが悪くなり、黄疸や胆管炎になっている症例に対して胆管の出口から内視鏡を用いてステントを挿入し胆汁の流れをよくする手術です。結石を取り除く乳頭拡張術等(乳頭切開同時含)や、虫垂炎の腹腔鏡下手術も行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 130 2.78 4.82 1.54 71.74
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 73 0 16.47 13.7 69.23
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 48 4.58 14 10.42 79.48
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 31 1.97 10.84 6.45 74.48
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 29 0.45 13.72 3.45 67.59
循環器内科で多い手術症例は、心筋梗塞や狭心症などに対する心臓カテーテル治療です。緊急で行う場合や検査と同時に行う場合、検査から日数を空けて行う場合、検査後一旦退院してから再入院して行う場合など、患者さんの状況に合わせて手術を行っています。
また、ペースメーカーの移植や、下肢閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術にも対応しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 55 5 31.16 50.91 75.49
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 30 6.27 25.9 70 83.63
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 20 7.35 36 15 64.95
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 等 11 1 8.73 0 36.45
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 等 11 7.27 31.18 9.09 55.18
整形外科では骨折観血的手術が多くなっています。骨折観血的手術は、ギプス固定では治癒が難しい複雑な骨折や重度の骨折、関節周辺を骨折した場合に施す外科手術のことで平成30年度は大腿骨や前腕、鎖骨などの骨折に対する手術が多くなりました。
人工骨頭挿入術は大腿骨の骨頭を取り出し、人工骨頭という人工物(金属性)に入れ替える手術です。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 40 0.75 10.83 42.5 82.9
K178-4 経皮的脳血栓回収術 16 0.63 13.31 68.75 76.19
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 13 1.38 20.54 53.85 68.69
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 10 4.7 8.3 10 71.5
K1781 脳血管内手術(1箇所) 10 0.4 24.1 60 65.7
脳神経外科で最も多い手術症例は、慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術です。緊急手術となる場合が多くなります。術後は早期に症状が改善し7割近くの方が自宅または施設に退院されます。
次に多い手術症例は脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術です。血管の詰まりを特殊なカテーテルを使用し体外に回収して、脳血管の再開通を行う手術です。
次に多い手術症例はくも膜下出血や、未破裂動脈瘤に対して行う手術です。この手術には2つの術式があり、開頭手術を行い動脈瘤の根元にクリップをかける脳動脈瘤頸部クリッピング術と、開頭手術を必要としないコイル塞栓術(脳血管内手術)があります。患者さんの状態によって適切な術式を選択しています。
次に多い手術症例は、頸動脈狭窄症に対するステント留置術です。頸動脈の狭窄部分にステントと呼ばれる金属製の網状の筒を留置して、狭窄した血管を正常径まで拡張させる手術であり、少ない負担で行う事ができます。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 20 0.9 2.5 0 46.85
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 12 0.08 2.42 0 67.58
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) - - - - -
形成外科で多い手術症例は、様々な部位や大きさの腫瘍摘出術や切除術、皮膚悪性腫瘍の切除です。
そのほか、眼瞼挙筋前転法による眼瞼下垂の手術症例、糖尿病性病変足趾難治性皮膚潰瘍、骨髄炎の腐骨摘出術、切断手指再接合術、熱傷や皮膚欠損に対する植皮術や瘢痕拘縮手術などを行っています。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6021 経皮的心肺補助法(初日) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
K3691 咽頭異物摘出術(簡単) - - - - -
K0022 デブリードマン(100cm2以上3000cm2未満) - - - - -
救急科では、重篤な疾病・外傷により生命維持が困難になった心臓や肺を補助するため人工心肺装置を使用する経皮的心肺補助法を行っています。その他、交通事故や転落による骨盤骨折や臓器損傷の出血時に行う血管塞栓術を行っています。気管切開術は、気管挿管が不可能な場合や長期にわたって挿管が必要な場合に行っています。
その他にも、急性病態に対する手術を行っています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K5091 気管支異物除去術(直達鏡) - - - - -
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K0871 断端形成術(骨形成を要する)(指) - - - - -
呼吸器内科では喉に局所麻酔薬を噴霧した後に気管支内視鏡ファイバーを挿入し、組織や細胞を採取して正確な診断をつけたり、喀痰や気道内異物を除去するなどの治療を行っています。
血管塞栓術は喀血(気管支拡張症・非結核性抗酸菌症・肺アスペルギルス症・肺結核後遺症・特発性喀血症・肺癌など)に対してカテーテルを気管支動脈に挿入し造影を行い出血が疑われる部分を各病態や疾患に応じた血管塞栓物質にて塞栓する手術です。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7151 腸重積症整復術(非観血的) - - - - -
K653-2 食道・胃内異物除去摘出術(マグネットカテーテルによるもの) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
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手術が必要な症例(虫垂炎など)は外科領域の診療科に依頼して実施しているため、当院の小児科の手術症例数は少数になっています。
小児科で多い手術症例数は腸重積症に対する腸重積整復術です。当院ではおもに、チューブを肛門に挿入し、空気の圧力で腸を戻す空気整復法を行っています。誤飲による食道・胃内異物除去術も行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 29 0.6
異なる 10 0.21
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 21 0.43
異なる - -
感染症および合併症の発生率を示したものです。 
敗血症の入院契機となった傷病名と同一症例が多いことからも、当院が二次救急医療指定病院として、合併症のみならず、入院時からの重症な症例を多く扱っていることが分かります。
手術・処置の合併症でも入院契機となった傷病名と同一症例が多くなっています。その内訳は冠動脈ステント留置後再狭窄、吻合部狭窄、術後創部感染、術後腹腔内膿瘍、薬物性ショックなどで0.43%となっています。また当院は二次救急医療指定病院として他の医療機関からそのような症状になった症例の受け入れも行います。
手術・処置の合併症は治療を行う過程でやむを得ず望ましくない症状や状態が発生した症例などを示しています。正しい診療を行っていても患者さんの容態や症状によっては、予期できない症状が出ることがあります。
これらについては事前に十分に説明した上で発症が最小限になるように努めています。
更新履歴
2019/09/30
平成30年度 DPCデータによる病院指標公開